BALNIBARBI STORY

一杯のカフェの力を信じますか? − 全ては一杯のカフェから始まったバルニバービの物語 - | 2021.06.08

『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか?
これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』
第十回

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前回は地方創生における『食』のあり方を書きました。

先週『自らの人生を自らの手元に取り戻すために!あてにならない(ように見える)国に寄りかからないために!』と書いたのですが、その奥にある思いを含め、話を進めていきます。

地方創生を進めていく3つのポイント『食・住・エネルギー』を、出来るだけ自らの手元に引き寄せることが重要だと考えています。

『住まい』『エネルギー』の話の前に『食』をもう少し。

人間が生きる上で『食』-これが第一プライオリティであることは、議論の余地はありません。加え水は同義ですね。少し話は飛びますが、山のないシンガポール(最高峰で160m)において、水問題は国家レベルの最重要課題の一つ。独立以来、水の過半をマレーシアから購入しています。それは両国家間に起こる様々な問題の度、互いの牽制材料として問題化します。シンガポールではその『水という国家において最も重要なファクターのイニシアチブを握られていること』の解消のため、貯水システムや海水から真水への濾過システム技術の開発を促進してきました。命綱を握られたままでは、真の意味での自立はありえませんから。21世紀半ばに来る両国間の水取引契約更新時までに、さらなる革新的技術開発をシンガポールは進めています。

つまり水はそれほどまでに社会生活を営んでいく上での必要条件なのです。話を戻し淡路島は瀬戸内気候の中、基本的に雨量は多くありません。また山も600m程度が最高峰なので雪も蓄えられず、結果水には恵まれていません。古くから水不足に悩まされ、その他の瀬戸内のエリア同様にため池が多く作られてきたのですが、1998年の明石海峡大橋開通に伴い、橋上の送水管を通り本土の明石から供給されるようになり、安定した水確保がなされるようになりました。世界最長の吊り橋・・・巨大国家プロジェクトにより、水問題解消がなされたのです。

僕は地方創生問題で忘れてはならないのはここだと思っています。『あてにならない(ように見える)国に寄りかからないために!』と書きましたが、実生活の根本においては、このように国家レベルでの問題解決に頼らざるを得ないことが、あまりに多いことに気づきます。そしてそのことを心に留めれば、原始共産主義のような形ではこれからの地方創生はありえないですが、同時にその街での出来うる限りでの自立性や独立性も兼ね備えねばならないということになります。国家と個人とのハイブリッドな形での融合こそが新しい生き方の姿なのだと思います。

そのための地方創生のこれからは、国家及び地方自治体と一人一人のつながりとしてのコミュニティとの距離感が重要となってくはずです。勿論主役は一人一人の人間。

そのために国家や自治体があり信頼関係や尊重が生まれる。

だからこそお互いが寄りかからずに、尊重し合いながら『食において自らの生産』及び『水の確保』をどれだけ自前でも行えるのか?これを地方創生の第一に設定しています。

水の確保には、水源を手に入れるというのは最高ですがかなり困難。であれば雨水の活用、井戸活用、再生水活用は可能性ありです。友人の会社では、98%水の再生システムの開発は完了しています。

勿論古くからのため池も有効です。そしてそれはそのまま『エネルギー』問題も同様の思考プロセスとなります。電力会社から電気を購入することと、再生可能エネルギーとしての太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱といったものでの自家発電と、どちらかの選択になります。これらもハイブリッドで構成するのがこれからの進みかたです。

特に太陽光発電は蓄電システムとの組み合わせでかなり有効性高いと考えています。

今週はかなり固い話ですみません。

写真はエネルギーの実験を淡路島で行なっている『サスティナブルコテージ』。家族で宿泊し、薪ストーブでサウナに入れ、テラスでバーベキューのできる施設です。屋根には全面太陽光パネル、断熱性の高い壁構造で、一棟に空調は一台しかありません。

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佐藤裕久 地方創生

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株式会社バルニバービ 代表取締役社長 佐藤 裕久
京都市上京区生まれ。神戸市外国語大学英米語学科中退、1991年 バルニバービ設立、代表取締役に就任。現在、東京・大阪をはじめ全国に90店舗(2021年1月末時点)のレストラン・カフェやスイーツショップを展開。著書に『一杯のカフェの力を信じますか?』(河出書房新社)『日本一カフェで街を変える男』(グラフ社)がある。